イリノイ州税務当局が、デジタル資産取引税の規則案を公表した。税率は0.2%で、2027年1月1日から施行される予定だ。
この規則案では、ステーブルコインやDeFi(分散型金融)プラットフォーム、暗号資産ブリッジなどが課税対象になるかどうかの判断基準が示されている。
企業や個人投資家にとって、新しい税務コンプライアンスの負担がどこまで及ぶのか、事前に把握しておくことが重要になる。
イリノイ州がデジタル資産取引税の規則案を公表

イリノイ州は2026年6月、デジタル資産取引税法を承認した。暗号資産の取引に対して0.2%の税を課すもので、業界団体の強い反対があったにもかかわらず成立している。
今回公表された規則案は、この法律を実際に運用するための詳細を定めたものだ。対象となる取引や資産の範囲、課税除外の条件などが具体的に記載されている。
州税務当局は9月29日(月)にウェブサイトで規則案を公開し、10月30日まで意見を受け付けている。最終的な規則は、この意見公募を経て確定する見込みだ。
ステーブルコインは課税対象、NFTは除外

ステーブルコインとは、米ドルなどの法定通貨と価格が連動するように設計された暗号資産だ。規則案ではこのステーブルコインを「課税対象となるデジタル資産」として扱うことが明記された。
一方、NFT(非代替性トークン)は課税対象から除外される。NFTはデジタルアートやゲームアイテムなど、唯一無二のデータを表すトークンで、通常の暗号資産とは性質が異なる。
今回の規則案では、この違いが税務上も明確に区別された形だ。デジタル資産というカテゴリの中でも、用途や性質によって課税の有無が分かれることになる。
DeFi取引は手数料の中身で課税が変わる

DeFiとは、銀行などの仲介者を介さずに、ブロックチェーン上で自動的に金融サービスを提供する仕組みのことだ。規則案では、DeFi取引は原則として非課税になる。ただし例外がある。
ユーザーが支払う手数料が「価値ある対価」とみなされる場合は課税対象になる。具体的には、プロトコルの運営や維持のために徴収される手数料がこれに該当する。
一方、ネットワーク手数料(ガス代)や、流動性提供者に直接支払われるスワップ手数料は課税対象にならない。つまり、DeFiプロトコルが独自に手数料を取っているかどうかが、課税判断の分かれ目になるということだ。
ブリッジと自己管理ウォレットの扱い

暗号資産ブリッジとは、異なるブロックチェーン間で資産を移動させるための技術だ。規則案によると、デジタル資産ブローカーを通じてブリッジ取引が行われ、対価が発生する場合は課税対象になる。
また、中央集権取引所から自己管理ウォレットへの送金も、取引所が手数料を請求する場合は課税される可能性がある。これは、単なる資産の移動であっても、手数料が発生すれば取引とみなされるという考え方だ。
今後のスケジュールと注意点

今回の規則案はまだ草案の段階で、10月30日まで意見公募が行われている。その後、最終的な規則が確定し、2027年1月1日から施行される予定だ。
イリノイ州で暗号資産取引を行う企業や、同州に居住する投資家は、今後の動向を注視する必要がある。特にDeFiプロトコルの運営者や、ステーブルコインを扱う事業者は影響が大きい。
税務当局の公式サイトで規則案の全文が確認できる。該当する取引がある場合は、早めに専門家へ相談するのが望ましい。
この記事のポイント
- イリノイ州がデジタル資産取引税(0.2%)の規則案を公表
- ステーブルコインは課税対象、NFTは課税対象外
- DeFiは原則非課税だが、プロトコル手数料があれば課税
- ブリッジ取引や取引所手数料がかかる自己管理ウォレット送金も課税対象に
- 2027年1月1日施行、規則案への意見は10月30日まで

暗号資産とブロックチェーンの可能性を追求するエミリー。
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