BitmineがETHを買い増し、保有量500万枚突破 総供給量の4.21%に トム・リーは「戦時下の価値保存」と評価

暗号資産の金庫会社戦略へと舵を切ったBitmineが、先週にかけてイーサリアム(ETH)を約101,901ETH買い増し、保有量が500万枚を突破した。これは全ETH供給量の約4.21%に相当する規模だ。

この買い増しは、現在の市場価格で約2億3,600万ドル(約3,500億円)にのぼる。旧ビットコインマイナーからデジタル資産保有会社へと転換してわずか10カ月で、Bitmineは最大のETH金庫企業としての地位を一段と固めたかたちだ。

トム・リー会長は、ETHを「戦時下の価値保存手段」と位置づける。イラン紛争以降の相対パフォーマンスや、トークン化とAI分野での需要拡大が長期の追い風になるとの見方を示している。

Bitmine、500万枚突破で供給量の4.21%に

Bitmine、500万枚突破で供給量の4.21%に

Bitmine Immersion Technologies(BMNR)が4月27日に発表した最新の動向によると、先週中の取得で総保有量は5,078,386ETHに達した。これは全ETH流通量の約4.21%にあたり、公式に把握される単一企業として最大のETH保有規模だ。

10カ月でビットコインマイナーからETH金庫へ

Bitmineが現在のトレジャリー戦略に転じたのは2025年6月のことだった。それまでビットコインマイニングを主力としていた同社は、デジタル資産をバランスシートに積み上げる方向へと大きく舵を切った。わずか10カ月で500万ETHの大台に到達したことになる。

直近の購入は、ETHの現在価格(約2,300ドル)で換算すると約2億3,600万ドル相当だ。ほとんどの企業トレジャリーが静観を続けるなか、Bitmineは毎週巨額の買い増しを重ねてきた。

ステーキングで年間約2.6億ドルの収益

BitmineはETHをただ保管するだけでなく、大規模なステーキング運用にも乗り出している。保有量のうち約370万ETH(約73%)をステーキングに回しており、年間換算で約2億6,400万ドルの利回り収入を見込んでいる。3月には機関投資家向けのステーキング基盤「Mavan」をローンチし、自社資産の運用だけでなく外部顧客の取り込みも狙う。

現在、同社の暗号資産と現金を合わせた総保有額は133億ドルに達する。この中には200BTC(約7,800万ドル相当)や9億4,000万ドルの現金、さらにBeast IndustriesやWorldcoin関連企業Eightco Holdingsへの出資も含まれるが、ポートフォリオの圧倒的な中心はETHだ。

トム・リーが提唱する「戦時下の価値保存」

トム・リーが提唱する「戦時下の価値保存」

イラン紛争以降、ETHはS&P500をアウトパフォーム

リー会長は今回の発表にあたり、「ETH保有量が500万枚を超えたことは、全供給量の5%獲得を目指すうえで大きなマイルストーンだ」とコメントした。同時にETHの性格が投機対象から変化しつつあるとの認識を示し、Etherealize社の調査を引き合いに出しながら「ETHは価値保存手段および担保として金融取引に浸透し始めている」と説明した。

「ETHが戦時下で最高の価値保存手段として振る舞い、紛争開始以降もS&P500を上回るパフォーマンスを示していることには大きな意味がある」とリー氏は述べ、地政学リスク下での資産としての優位性を強調した。

トークン化とAIが長期的な追い風

さらにリー氏は、現実資産のトークン化や、パブリックブロックチェーン上で稼働するAIシステムの増加といった構造的なトレンドが、長期的なETH需要を支えると指摘した。これらは単なる投機需要ではなく、実利用に基づくベース需要を形成するという見立てだ。

企業トレジャリーとしてのETH保有が意味するもの

企業トレジャリーとしてのETH保有が意味するもの

ビットコインからETHへのシフト

これまで企業トレジャリーのデジタル資産保有といえば、MicroStrategy(Strategy)に代表されるビットコイン蓄積が象徴的存在だった。Bitmineの動きは、イーサリアムがその座に迫りうることを示している。しかもステーキング利回りを組み合わせることで、単なる値上がり益だけに依存しないキャッシュフローを生み出す点がビットコイン戦略とは一線を画す。

集中リスクと市場への影響

とはいえ、特定企業が全供給量の4%超を握る状態は、二面性を持つ。大口保有者が売却に動けば市場に大きな値幅をもたらす可能性がある一方、長期的な保有とステーキングはネットワークの安全性を高める効果もある。また、機関投資家による「金庫番」としての信頼が醸成されれば、他の企業もETHをバランスシートに載せる流れが加速するかもしれない。

Bitmineの今回の買い増しは、機関需要が入り始めたETHの転換点を示す事例として、今後の企業トレジャリーの在り方を問いかけるものだ。

この記事のポイント

  • Bitmineが101,901ETHを追加購入し、保有量が500万枚を突破。全ETH供給量の約4.21%を掌握。
  • ステーキングには約370万ETHを充て、年間約2億6,400万ドルの利回り収入を生み出している。
  • トム・リー会長はETHを「戦時下の価値保存手段」と表現し、イラン紛争以降S&P500を上回るパフォーマンスを強調。
  • 企業トレジャリーとしてのETH保有は、ビットコイン一辺倒だった従来の戦略に新たな選択肢を提示する。
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