Bitwise Asset Managementが、スポットHyperliquid ETFの上場に向けた重要なステップを踏んだ。
同社は米証券取引委員会(SEC)に第2次修正申請書を提出し、ティッカーシンボルと管理手数料を明らかにした。これは上場が間近であることを示す兆候と見られている。
この動きは、暗号資産デリバティブプロトコル「Hyperliquid」に連動する初のETFを巡る、資産運用会社間の競争が激化する中での出来事だ。
Bitwiseが上場に向けた最終段階へ

4月11日、ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏がX(旧Twitter)で、BitwiseがSECに提出した修正申請書の内容を共有した。
それによると、Bitwiseは提案中のETFのティッカーシンボルを$BHYPに設定した。また、投資家から徴収する年間の管理手数料を0.67%(67ベーシスポイント)と定めている。
バルチュナス氏は、このような詳細が申請書に盛り込まれることは、通常、商品が「間もなく上場する」ことを示すと指摘した。同氏は、HYPEトークンの価格が過去1年で200%上昇している現状を踏まえ、Bitwiseが「鉄は熱いうちに打て」の精神で、市場の関心が高いうちに上場を急いでいるとの見方を示した。
競合他社も追随する新たなETFカテゴリー
Bitwiseが目指すのは、暗号資産のパーペチュアル先物プロトコル兼ブロックチェーン「Hyperliquid」のスポット価格に連動する、世界初のETFだ。パーペチュアル先物とは、決済期限のない先物契約のことで、暗号資産市場では主要なデリバティブ商品の一つとなっている。
この新分野への参入を目指すのはBitwiseだけではない。暗号資産投資の老舗であるグレイスケールと、スイスに本拠を置く21Sharesも、同様のHyperliquid ETFを申請している。三社による競争が始まっているのだ。
Bitwiseは昨年9月に最初の申請を行い、このカテゴリーの先駆けとなった。21Sharesがそれに続き、グレイスケールは今年3月下旬に申請書を提出した。Bitwiseの今回の修正申請は、この競争の中で一歩リードを広げる動きと解釈できる。
HYPEトークンの堅調なパフォーマンス

ETF申請の背景には、基幹資産であるHYPEトークン自体の強い価格パフォーマンスがある。暗号資産市場全体が2026年初頭から苦戦を強いられる中、HYPEは逆に上昇を続けている。
CoinGeckoのデータによれば、HYPEの価格は2026年年初来で約65%上昇し、執筆時点で約42ドル付近で取引されている。1年間の上昇率は約182%に達する。これは、暗号資産デリバティブ市場におけるHyperliquidプロトコルの存在感が急速に高まっていることを反映している。
取引量でトップ10入りを果たす
価格上昇に加え、プロトコルの実利用面でもHyperliquidは大きな成長を見せている。ブロックチェーン分析プラットフォームのCoinGlassが4月初旬に報告したところによると、Hyperliquidは取引量で暗号資産デリバティブプラットフォームのトップ10に初めてランクインした。
バイナンス、OKX、バイビットといった巨大取引所がひしめく中、Hyperliquidは2026年第1四半期に4,927億ドルの取引量を記録した。これは9位のコインベースに約900億ドル及ばない水準であり、新興プロトコルとしては驚異的な数字だ。
この取引量の急増は、トレーダーが中央集権型取引所(CEX)だけでなく、より高度で効率的な分散型のデリバティブプロトコルを求める流れが本格化している証左と言える。
ステーキング収益の獲得を目指すBitwise

BitwiseのETFが競合他社の提案と一線を画す可能性がある点は、ステーキングからの追加収益獲得を目指していることだ。ステーキングとは、ブロックチェーンのネットワーク運営(バリデーション)にトークンを預け入れ、その見返りとして報酬を得る仕組みである。
Bitwiseは昨年12月の第1次修正申請書ですでに、ファンドがHYPEトークンのステーキングから追加リターンを得ようと試みることを示唆していた。現時点で、グレイスケールと21Sharesの申請書には同様の明記はない。
この差は、投資家にとって重要な意味を持つ。仮にETFがステーキング報酬を獲得できれば、それはHYPEトークンの価格上昇(キャピタルゲイン)に加えて得られるインカムゲイン(配当的な収益)となり、総合的な投資リターンを高める可能性があるからだ。ただし、ステーキングにはトークンを一定期間ロックする必要があるなど、流動性や技術的なリスクも伴う。
市場への影響と今後の見通し

BitwiseのETFが承認されれば、NYSE Arca株式取引所で取引が開始される。これにより、従来の証券口座を持つ一般の投資家が、複雑な暗号資産ウォレットや取引所を経由することなく、Hyperliquidという新しいブロックチェーンプロトコルへの投資機会を得ることになる。
この動きは、暗号資産ETFの対象がビットコインやイーサリアムといったメジャーな資産から、よりニッチで特定の用途に特化したプロトコルトークンへと広がり始めたことを意味する。もしHyperliquid ETFが成功すれば、他のDeFi(分散型金融)プロトコルやインフラ系トークンを対象としたETFの申請が相次ぐ可能性もある。
一方で、SECの承認プロセスには不透明な部分が残る。ビットコインETFの承認には長い年月がかかった経緯があり、より新しい、かつデリバティブという複雑な要素を含むHyperliquidプロトコルに対するSECの見解は未知数だ。申請の詳細が詰められたことは前向きなサインだが、最終的な承認と上場のタイミングはまだ確定していない。
この記事のポイント
- BitwiseがHyperliquid ETFの第2次修正申請書をSECに提出し、ティッカーを$BHYP、管理手数料を0.67%と設定した。詳細の詰めは上場間近を示す兆候と見られる。
- Hyperliquid ETFを巡っては、グレイスケール、21Sharesとの三社競争が発生している。Bitwiseは最初の申請者として優位に立つ。
- 基幹資産のHYPEトークンは、暗号資産市場の軟調さにもかかわらず年初来で約65%上昇するなど堅調なパフォーマンスを続け、プロトコル自体の取引量も急増している。
- BitwiseのETFは、HYPEトークンのステーキングから追加収益を得ることを目指しており、これが競合との差別化要因となる可能性がある。

暗号資産とブロックチェーンの可能性を追求するエミリー。
暗号資産投資、DeFi、NFT、WEB3、メタバースといった最先端分野を深く理解し、「エミリーズ・クリプト・インサイダー」を運営。
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