暗号資産を預けるサービスを安全に選ぶには、秘密鍵を誰が管理するかを見るのが基本だ。
取引所に置いたままの資産と、長期で預ける資産は分けて考える必要がある。
この記事では預け先を選ぶときの確認点と、失敗しやすいポイントを整理する。
暗号資産の保管でいちばん大事なのは、秘密鍵という言葉の理解から始まる。
秘密鍵とは、あなたの暗号資産を動かすための鍵のことだ。
この鍵の管理方法が、預けるサービスの安全性を決める。
預け先ごとに秘密鍵の扱いが異なる。
選び方を間違えると、資産を失うではなく、目的に合わない運用を続けることになる。
預ける前に、仕組みを正しく知っておきたい。
暗号資産を預けるサービスの安全とは何か

暗号資産を預けるサービスの安全を判断するとき、最初に見るべきは秘密鍵を誰が管理するかだ。
秘密鍵とは、あなたの暗号資産を動かすための鍵のことである。
この鍵を自分で持つか、サービスに預けるかで、安全性の性格が変わる。
暗号資産は、秘密鍵を持っている人が動かせる仕組みだ。
つまり鍵の管理こそが、保管の安全性を左右する。
預けるサービスを選ぶとは、鍵の管理方法を選ぶことでもある。
秘密鍵の管理を誰に任せるか
サービスに暗号資産を預けると、あなたの代わりにサービス側が秘密鍵を管理する。
これをカストディ型と呼ぶ。
取引所や預け入れサービスの多くは、この型に当たる。
手軽な分、鍵を第三者に委ねる形だ。
一方、秘密鍵を自分で管理する方法をノンカストディ型と呼ぶ。
誰にも鍵を預けないので、サービス側の不具合や破綻の影響を受けにくい。
ただし、鍵を失うと資産を動かせなくなるため、自己管理の技術と責任が要る。
安全の正体は管理主体の差
カストディ型が危険で、ノンカストディ型が安全という単純な話ではない。
頻繁に売買する資産をカストディ型に置くのは合理性がある。
動かさない資産をどの形で持つのかを、目的から逆算するのが安全な選び方だ。
取引所に預けたままにすることの問題

取引所に預けたままにすること自体が、一律に危険なわけではない。
頻繁に売買する少額の資産なら、取引所に置いておく方が手軽だ。
ただし、長期で動かさない資産まで同じ場所に置いておくのは、目的に合っていない。
取引所は売買のための場所である。
注文を出すたびに資産を動かすので、取引所に置いておくことは自然な選択だ。
だが、売買の予定がない資産まで取引所に置いたままにすると、管理方法が本来の目的から外れていく。
取引所は売買のための場所
取引所に預けるということは、実質的に秘密鍵の管理を取引所へ委ねていることになる。
売買を頻繁に行うなら、この手軽さが役に立つ。
反対に、売買から離れた資産には、この手軽さが過剰な委任になる。
長期保有の資産は分けて考える
短期の売買に回さない資金は、保管の目的が違う。
動かす予定がない資産を取引所に置いたままにすると、売買の場と保管の場が混ざった状態が続く。
資産を2つの性格に分けて、預け先を変えるのが失敗しにくい考え方だ。
預け先を選ぶときに確認するポイント

預け先を選ぶときに確認するポイントは、運営年数、秘密鍵の管理方法、預け入れと引き出しの条件、対応する暗号資産の種類の4点だ。
それぞれを見れば、そのサービスがどのような使い方を想定しているかが分かる。
- 運営年数が長いか
- 秘密鍵をどのように管理しているか
- 預け入れと引き出しに制限があるか
- 対応している暗号資産の種類は多いか
運営年数と実績を見る
運営年数が長いことは、サービスが継続している証拠になる。
暗号資産の分野は新しいサービスが絶えず出てくるが、数年以上続いているところは、相場の変動や運用上の課題を乗り越えてきた実績がある。
運営年数だけで判断せず、管理体制とあわせて見るのが基本だ。
預け入れと引き出しの条件を比べる
預け入れに制限があるか、引き出しに制限があるかは、資金を動かすときの自由度に直結する。
いつでも引き出せる形と、一定期間動かさない形では、向いている資金が異なる。
対応している暗号資産の種類が多いほど、複数の銘柄を1か所にまとめやすい。
預け方の種類と目的による使い分け

預け入れには、引き出しの制限がない形と、期間を固定する形の2種類がある。
どちらが良いかは、資金をいつ動かすかで決まる。
両方を同じ口座で使えると、置き場所を分けずに済む。
| 制限のない預け入れ | 引き出しの制限なし。いつでも動かせる。短期的な資金向け。 |
| 期間固定の預け入れ | 一定期間動かさない。計画的な資金向け。 |
制限のない預け入れ
引き出しの制限がない預け入れは、いつでも資産を動かせる柔軟さが特徴だ。
近いうちに使うかもしれない資金や、様子を見ながら置いておきたい資金に向いている。
手元の感覚に近い使い方ができる。
期間を固定する預け入れ
期間を固定する預け入れは、一定期間動かさないと決めることで、計画的な資金の置き場所になる。
売買に回さない資金を、期限を区切って預けておく使い方ができる。
固定する期間が長ければ、それだけ動かさない前提がはっきりする。
売らずに資産を保ちながら使う方法

現金が必要になるたびに暗号資産を売っていると、保有を続ける前提が崩れる。
暗号資産を売らずに担保として差し入れ、資金を借りる方法は、保有を保ったまま手元の資金を用意する手段になる。
売却して現金化する方法は、その時点で保有を手放すことになる。
あとに価格が動いても、手放した分の値動きはあなたのものにならない。
保有を続けながら資金を用意できるかどうかで、選択肢が大きく変わる。
売却が保有を断ち切る
現金が必要になるたびに売却していると、保有し続けるという前提が崩れていく。
売った後の値動きは、あなたの資産に影響しない。
長期で持つつもりの暗号資産を、短期的な現金化で手放してしまうのは、本筋から外れた動きになる。
担保として差し入れる選択肢
暗号資産を売らずに担保として差し入れると、保有を続けたまま資金を借りられる。
預け入れと借り入れを同じ口座で扱うサービスもあり、取引所に置いたままの資産とは違う使い道が生まれる。
売買ではなく、預け入れと借り入れを軸に組み立てられたサービスとしては、2018年から運営されているNexoが挙げられる。
選択肢の1つとして知っておくとよい。
よくある質問
暗号資産を預けるサービスで一番確認すべきことは何か
秘密鍵を誰が管理するかを最初に確認する。
サービスが鍵を管理するカストディ型か、自分で鍵を持つノンカストディ型かで、安全性の性格が変わるからだ。
自分の使い方に合う管理主体を選ぶのが基本になる。
取引所に置いたままでも大丈夫なのか
取引所に置いたままにすること自体が、一律に危険なわけではない。
頻繁に売買する少額の資産なら、取引所に置くことは合理的だ。
長期で動かさない資産は、保管の目的が違うので分けて考える。
秘密鍵を自分で管理する方法と何が違うのか
自分で管理する方法は、サービス側の不具合や破綻の影響を受けにくい。
ただし鍵を失うと資産を動かせなくなるため、管理の技術と責任が必要だ。
どちらが良いかは、自分の取引頻度と管理能力で決まる。
預け入れに制限があるサービスとないサービスはどう使い分けるのか
いつでも引き出せる形は、近いうちに使うかもしれない資金向けだ。
期間を固定する形は、売買に回さない計画的な資金に向いている。
両方を同じ口座で扱えると、置き場所を分けずに済む。
暗号資産を売らずに現金を用意する方法はあるのか
暗号資産を担保として差し入れ、資金を借りる方法がある。
売却しないので、保有を続けたまま手元の資金を用意できる。
預け入れと借り入れを同じ口座で扱うサービスを使えば、資産の全体像をまとめやすい。
この記事のポイント
- 安全の核心は秘密鍵を誰が管理するか
- 取引所は売買の場所、長期保管とは分ける
- 運営年数と引き出し条件を確認する
- 制限なしと期間固定の預け入れを使い分ける
- 売らずに担保で資金を用意する方法がある

暗号資産とブロックチェーンの可能性を追求するエミリー。
暗号資産投資、DeFi、NFT、WEB3、メタバースといった最先端分野を深く理解し、「エミリーズ・クリプト・インサイダー」を運営。
分かりやすい解説で、ブロックチェーン革命の潮流を一般に広めることを目指す。初心者から上級者まで、最新情報を求めるすべての人に役立つ情報発信を心がけている。
