Figureの月間融資額が初の10億ドル突破、バーンスタインは株価107%上昇余地を指摘

ブロックチェーンを活用した金融サービスを提供するFigure Technology Solutionsの月間融資額が、初めて10億ドルの大台を突破した。調査・証券会社のバーンスタインはこの記録的な業績を受けて、同社株の評価を改めて行い、現在の株価から約107%の上昇余地があるとの見解を示している。

Figureは住宅担保ローン(HELOC)を中心とした消費者向け融資プラットフォームを運営しており、融資債権のトークン化を通じて市場での流通を促進している。同社が発表した2026年3月の暫定業績は、そのビジネスモデルの拡大ペースが加速していることを示すものだ。

バーンスタインが指摘する107%の上昇余地

バーンスタインが指摘する107%の上昇余地

バーンスタインのアナリストチームは、Figure Technology Solutionsの株価目標を67ドルと設定し、「アウトパフォーム」評価を維持した。この目標価格は、4月6日終値の32.30ドルから計算すると約107%の上昇に相当する。

この目標価格は、3月末に72ドルから下方修正された後の数字だ。修正の背景には、市場全体の評価水準の変化などが考慮されたとみられる。それでもなお、現在価格から倍以上の上昇余地を見込んでいる点は、同社の成長ストーリーに対する強い確信を反映している。

アナリストは同社の企業価値を、2027年の予想EBITDA(税引前利益)の25倍と算定している。これは高い成長が見込まれるテクノロジー金融企業に適用される水準だ。バーンスタインは、Figureが3月に達成した融資額のマイルストーンを、同社のトークン化信用市場(トークン化クレジットマーケットプレイス)の成功によるものと評価した。

記録的な月間融資額の詳細

記録的な月間融資額の詳細

Figureが発表した暫定値によると、2026年3月の消費者向け融資実行額は約12億ドルに達した。これは前月比で33%の増加であり、月間ベースで初めて10億ドルの壁を突破した歴史的な数字となる。

2026年第1四半期(1月から3月)の累計融資実行額は29億ドルだった。これは前四半期比で7%の成長、前年同期比では実に113%という大幅な増加を示している。

特に注目すべきは、第1四半期が住宅担保ローン(HELOC)にとっては伝統的に需要の弱い時期であるという点だ。この時期に堅調な成長を記録したことは、Figureのビジネスモデルの強靭さを示唆している。バーンスタインのアナリストは、その要因として、300以上にのぼる活発なパートナー網の存在と、新たに展開しているローン商品カテゴリーの成功を挙げている。

年間換算12億ドルのペースと商品構成の変化

現在の融資実行ペースを年間換算すると約120億ドルに相当する。これは2025年暦年比で39%の成長率となる。ただし、同社は月次更新で商品別の内訳を公表していない。

バーンスタインの分析によれば、第一抵当権ローン(ファーストリーンローン)の割合が引き続き増加していると推定される。第一抵当権ローンとは、住宅購入資金などに使われる、担保物件に対して最も優先順位の高いローンだ。Figureが主力とするHELOCよりも利ざや(テイクレート)は低いが、市場規模が大きく、新たな成長の柱として期待されている。

2025年第4四半期の時点で、第一抵当権ローンの割合は融資総額の19%を占めていた。バーンスタインは、2026年には新規ローンカテゴリー(第一抵当権ローンなど)が総融資額の13%、17億ドルを貢献すると予測している。これは2025年第4四半期の約4%という割合から大幅な増加だ。

「Connect」マーケットプレイスの台頭

「Connect」マーケットプレイスの台頭

Figureのビジネスにおいて、特に成長が著しいのが「Connect」マーケットプレイスだ。これは、Figureが発行したトークン化されたローン債権を、機関投資家などの買い手に直接販売するプラットフォームである。

バーンスタインは、このConnectマーケットプレイスがFigureの支配的なビジネスモデルになると予測している。2026年暦年末までに、Connectを経由した融資が総額の56%を占めるようになるとみている。これは2025年暦年の46%から増加する数字だ。

実際、2025年第4四半期の決算報告書によれば、Connectの取引高は同社の消費者向けローン市場取引高の54%に達しており、前四半期の46%から増加している。このプラットフォームの成長は、Figureが単なる貸し手ではなく、金融商品の流通を促進する市場そのものとしての地位を確立しつつあることを示している。

財務見通しと潜在的なリスク

財務見通しと潜在的なリスク

バーンスタインはFigureの1株当たり利益(EPS)について、2025年の0.54ドルから、2026年には0.98ドル、2027年には1.52ドルに達すると予測している。これは2年で約3倍に増加する計算だ。

しかし、アナリストは同時にいくつかのマクロリスクも指摘している。最大のリスクは金利低下の可能性だ。現在、高金利環境下で住宅ローン借り換え需要が抑制され、代わりに住宅の資産価値を担保に現金を借りるHELOCの需要が高まっている側面がある。もし金利が低下すれば住宅ローン借り換え市場が活性化し、HELOCへの需要が相対的に減退する可能性がある。これはFigureの主力商品にとっての逆風となりうる。

もう一つのリスクは、非HELOC商品(第一抵当権ローンなど)への拡張が遅れた場合だ。バーンスタインは、2027年までにこれらの新規カテゴリーが融資総額の20%を占めると予測している。この拡張が計画通り進まなければ、成長予測の下方修正を迫られる可能性がある。

この記事のポイント

  • Figureの月間融資実行額が初めて10億ドルを突破し、12億ドルを記録した。これは前月比33%増の急成長だ。
  • 調査会社バーンスタインは、同社株の目標価格を67ドルと設定。現在の株価から約107%の上昇余地があると分析している。
  • 成長の原動力は、トークン化債権を取引する「Connect」マーケットプレイスと、住宅購入ローンなどの新規商品カテゴリーへの進出にある。
  • 一方で、金利環境の変化や新規事業の拡張遅延が、今後の成長に対する主要なリスク要因として指摘されている。
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