MetaMaskで「チェーンIDを取得できません。RPC URLは正しいですか?」というエラーが表示された場合、多くのケースではデフォルトのRPCであるInfuraが一時的に応答していないのが原因だ。ネットワーク設定でRPCを手動変更するか、別のRPCプロバイダーを追加すれば、数分で問題は解決する。
なぜ「チェーンIDを取得できません」エラーが発生するのか

このエラーは、MetaMaskが接続しているブロックチェーンネットワークから正しい情報を受け取れなかった時に表示される。チェーンIDとは、そのネットワークを一意に識別する番号だ。Ethereumメインネットなら「1」、Polygonなら「137」といった具合である。
通常、MetaMaskはInfuraというノードサービスのRPC(リモートプロシージャコール)を経由して、Ethereumネットワークと通信している。RPCとは、ウォレットがブロックチェーンと会話するための電話番号のようなものだ。
このInfuraのエンドポイントがメンテナンスや高負荷で応答を返せない状態になると、MetaMaskはチェーンIDすら確認できず、該当のエラーを出す。Infuraのステータスページに特に表示がなくても、一部のユーザーにだけ接続障害が発生しているケースもある。
RPC URLを手動で変更する手順

MetaMaskのネットワーク設定を直接編集し、RPCエンドポイントを明示的に指定することで、不安定なデフォルト接続を回避できる。Ethereumメインネットでこのエラーが起きている場合に有効な手順だ。
- MetaMaskの拡張機能またはアプリを開き、上部のネットワーク名をタップする。
- ネットワーク一覧の下部にある「ネットワークを追加」を選択する(または既存のEthereumメインネットの設定を開く)。
- 以下の情報を手入力する。
- ネットワーク名: Ethereumメインネット
- RPC URL: https://mainnet.infura.io/v3/(ここにInfuraのプロジェクトIDが入る)
- チェーンID: 1
- 通貨記号: ETH
- ブロックエクスプローラーURL: https://etherscan.io
InfuraのプロジェクトIDは、Infuraの公式サイトで無料登録すれば取得できる。ただし、プロジェクトIDがなくても、後述する代替RPCを使う方法なら即座に復旧できる。
信頼できる代替RPCプロバイダーに切り替える

Infura以外のノードサービスに接続先を変更すれば、デフォルトRPCの不調から完全に切り離される。無料枠が豊富で信頼性の高い代替プロバイダーを追加するのが最も速い解決策だ。
代表的な代替RPCには、AlchemyやQuickNode、Ankrなどがある。いずれも無料アカウントを作成すれば専用のエンドポイントURLが発行され、MetaMaskに登録できる。
たとえばAlchemyの場合、以下の手順で追加する。
- Alchemyに無料登録し、EthereumメインネットのAPIキーを取得する。
- 発行されたRPC URL(https://eth-mainnet.g.alchemy.com/v2/…)をコピーする。
- MetaMaskのネットワーク追加画面で、RPC URL欄にペーストし、チェーンID「1」、通貨記号「ETH」を入力して保存する。
要は、通信先の電話番号を別の確実なものに変えるだけだ。これでエラーは表示されなくなり、送金や操作を続行できるようになる。
それでも解決しない場合の追加確認ポイント

RPCを変更しても同じエラーが続くなら、ウォレットやネットワーク環境そのものに問題が潜んでいる可能性がある。以下の点を順に確認する。
MetaMaskが最新バージョンか確認する
古いバージョンのウォレットでは、RPC接続の処理に不具合が残っていることがある。拡張機能版ならブラウザの拡張機能管理画面、モバイル版ならアプリストアで更新の有無を確認し、常に最新版に保つ。
インターネット接続とVPNを見直す
特定のRPCエンドポイントがISPやVPNによってブロックされているケースもある。VPNを一時的にオフにするか、別のネットワークに切り替えてみる。公共Wi-Fiなどではポート制限がかけられていることも多い。
ブラウザのキャッシュとCookieをクリアする
拡張機能版MetaMaskを使っている場合、ブラウザに溜まった古いキャッシュが接続エラーを引き起こすことがある。ブラウザの設定からキャッシュとCookieを削除し、再度MetaMaskを開き直す。
よくある質問
Infuraのステータスページに障害表示がないのにエラーが出るのはなぜか
Infuraの障害は地域やノード単位で部分的に発生することがある。ステータスページが全ての状況をリアルタイムに反映しているとは限らない。エラーが出た時点で素早く代替RPCに切り替えるのが実用的な対処法だ。
代替RPCに切り替えても資産に影響はあるか
RPCを変更しても、秘密鍵やアドレス、保有資産には一切影響しない。単にブロックチェーンとの通信経路を変えているだけだ。同じネットワークに接続している限り、資産は従来通り表示され操作できる。
カスタムRPCを追加する際に注意すべき点はあるか
誤ったチェーンIDや通貨記号を入力すると、正しくネットワークを認識できない。特にチェーンID「1」はEthereumメインネットの固定値であり、他の数字を入れてはいけない。RPC URLも、/v2/や/v3/のパスまで正確にコピーする必要がある。公式情報で最新の値を確認すること。
送金途中でエラーが出た場合、ETHは失われるか
チェーンID取得エラーはトランザクションが作成される前の段階で発生するため、送金が実際に開始されることはない。ETHが消失する心配はなく、ウォレット内の残高は安全だ。
このエラーはEthereum以外のネットワークでも起こるか
起こりうる。PolygonやArbitrumなど、他のネットワークを追加している場合も、それぞれのデフォルトRPCに問題が生じれば同様のエラーが表示される。該当ネットワークの公式RPCリストを参照し、同じ手順で代替エンドポイントを設定すれば解決する。
この記事のポイント
- 「チェーンIDを取得できません」エラーはデフォルトRPCの応答不良が主因
- Infura以外のRPCプロバイダー(Alchemyなど)に切り替えると即解決する
- RPC手動追加時は、チェーンID「1」と正確なURL入力が必須
- 資産に影響はなく、接続経路の変更で安全に対処できる
- 他ネットワークでも同様のエラー時は代替RPC追加が有効

「エミリーズ・クリプト・インサイダー」のリサーチ担当として、暗号資産の現場で日々生まれる疑問や悩みを丹念に追いかける。
Reddit や海外フォーラムに寄せられる声を読み解き、「初心者がつまずきやすいポイント」「経験者でも見落としがちな落とし穴
」を一つずつ記事として整理している。
専門的な話を誰もが理解できる言葉に置き換えることに全力を注ぐ。情報の正確さと読みやすさの両立を信条としている。
