MetaMask拡張機能が開かない・偽サイトに飛ばされる時の対処法

MetaMaskの拡張機能が開かず、公式サイトに行こうとしても偽サイトに飛ばされるなら、PCが乗っ取られている可能性が高い。PCで何かを直そうとする前に、安全な別の端末から資産を新しいウォレットへ移すことを最優先にする。

なぜ公式サイトに行こうとすると偽サイトに飛ばされるのか

なぜ公式サイトに行こうとすると偽サイトに飛ばされるのか

別のブラウザでも、別の回線でも同じ偽サイトに飛ばされるなら、原因はネット回線ではなくPC本体にあると考えるのが自然だ。MetaMask側の障害で、公式サイトがシードフレーズを求める偽ページに切り替わることはない。

DNSを手動で変えても直らない場合も同じ結論になる。DNS(ドメイン名をサーバーの住所に変換する仕組み)は、いわばネットの電話帳だ。電話帳を取り替えても直らないなら、PCの中で通信が書き換えられている疑いが強まる。

不正な拡張機能が通信を書き換えている

よくあるのが、ブラウザに入った不正な拡張機能による誘導だ。便利ツールや広告ブロッカーを装って入り込み、特定のサイトへのアクセスだけを偽サイトに差し替える。

自分で入れた覚えがない拡張機能や、最近入れたばかりの拡張機能は特に怪しい。ブラウザの同期機能を使っていると、同じ拡張機能が別の環境にも入ることがある。

PCのhostsファイルやプロキシ設定が改ざんされている

hostsファイルは、PCの中で「このドメインはこの住所につなぐ」と決める小さな住所録だ。ここを書き換えられると、正しいアドレスを打っても偽サイトにつながる。DNSより優先されるため、DNSを変えても効果がない。

プロキシ(通信を中継するサーバー)の設定を勝手に変える手口もある。PC全体の設定が変わるため、どのブラウザを使っても同じ症状になる。

マルウェアがPCに入り込んでいる

上の2つの改ざんは、多くの場合マルウェア(悪意あるプログラム)の仕業だ。暗号資産を狙うものは、ブラウザに保存されたMetaMaskのデータや保存パスワードを盗み出す機能を持つことが多い。

拡張機能が突然開かなくなった時期と、偽サイトへの誘導が始まった時期が重なるなら、同じ原因を疑うべきだ。マルウェアが拡張機能を壊したり、無効化したりしている可能性がある。

検索結果の広告から偽サイトに誘導されている

アドレスバーに「metamask io」のようにドットなしで入力すると、検索結果が表示される。その一番上に出る広告が偽サイトというケースは少なくない。PCの感染とは別の原因なので、まず自分がどう公式サイトを開いているかを確認しておきたい。

最初にやるべきことは資産を安全なウォレットへ移すこと

最初にやるべきことは資産を安全なウォレットへ移すこと

PCの感染が疑われる時点で、そのウォレットは「いつ抜かれてもおかしくない状態」と考える。原因探しや拡張機能の修理は後回しにして、まず資産を避難させる。

シードフレーズはどんな画面でも入力しない

シードフレーズ(シークレットリカバリーフレーズ)は、ウォレットの全資産を動かせる親鍵だ。MetaMaskの公式サイトやサポートが、Webページやメールでシードフレーズを求めることはない。

メールアドレスとシードフレーズの入力を求めてくるページは、ドメイン名に関係なく偽サイトと判断してよい。ブラウザが警告を出しているなら、なおさらそのまま閉じる。

パスワードを入力してしまった場合はどう考えるか

MetaMaskのパスワードは、PCに保存されたウォレットデータの鍵をかけ直すためのものだ。パスワードだけ知られても、それ単体で資産を動かすことはできない。

問題は、PCがマルウェアに感染している場合だ。マルウェアがウォレットデータを盗み、そこへ盗んだパスワードを組み合わせると、中身を開けてしまう。要は、感染したPCでパスワードを入力したなら、シードフレーズが漏れたのに近い状態だということだ。

Webページの中に本物そっくりのポップアップを描く偽装手口もある。表示されたアドレスや拡張機能のIDが正しく見えても、それだけで本物と言い切ることはできない。少しでも不安があるなら、漏れた前提で動くほうが安全だ。

安全な端末で資産を新しいウォレットへ移す手順

感染の疑いがあるPCは使わず、別の端末だけで作業する。流れは次のとおりだ。

  1. 感染の疑いがない端末を用意する
  2. その端末で、新しいシードフレーズのウォレットを作る
  3. 新しいシードフレーズを紙に書き、オフラインで保管する
  4. 古いウォレットを安全な端末で開く
  5. トークンやNFTを新しいアドレスへ送る
  6. 最後にガス代用の通貨を新しいアドレスへ送る

新しいウォレットは、スマホのMetaMaskアプリを公式ストアから入れて作るか、ハードウェアウォレットで作るのが手堅い。古いウォレットは、スマホに同じシードフレーズで入っているならそれを使う。入っていなければ、安全な端末に古いシードフレーズを読み込ませて開く。

ガス代用の通貨を最後に回すのは、トークンを送るたびに手数料がかかるためだ。複数のネットワークに資産があるなら、ネットワークごとに同じ作業を繰り返す。古いシードフレーズは、作業が終わったら二度と使わない「使い捨て済みの鍵」として扱う。

取引所のパスワードも、安全な端末から変更しておきたい。ブラウザに保存していたログイン情報は、マルウェアに盗まれている可能性があるからだ。二段階認証を設定していないサービスは、このタイミングで有効にする。

PCから偽サイトへの誘導を取り除く手順

PCから偽サイトへの誘導を取り除く手順

資産の避難が済んだら、次はPCの掃除だ。原因になりやすい順に確認していき、どうしても不安が残るなら初期化までやる。

拡張機能を1つずつ確認する

使っているすべてのブラウザで、拡張機能の管理画面を開く。Chrome系のブラウザなら、アドレスバーに次の文字列を入れると開ける。ブラウザによってアドレスは異なるので、開けなければメニューの「拡張機能」から進む。

chrome://extensions

入れた覚えのないもの、提供元がはっきりしないものは削除する。迷ったら、MetaMask以外を一度すべて無効にして、偽サイトへの誘導が止まるか試す方法もある。

プロキシ設定とhostsファイルを確認する

OSのネットワーク設定を開き、自分で設定した覚えのないプロキシが有効になっていないか確認する。心当たりがなければオフにする。

hostsファイルの場所はOSごとに決まっているので、OSの公式ヘルプで確認する。中にmetamaskを含む行や、見覚えのない暗号資産関連のドメインが書かれていれば改ざんの証拠だ。ただし、システムファイルなので編集には注意が要る。

セキュリティソフトでフルスキャンする

信頼できるセキュリティソフトで、クイックスキャンではなくフルスキャンを実行する。見つかった脅威は駆除し、再起動後にもう一度スキャンして消えたか確かめる。

拡張機能やプロキシを直しても、しばらくすると元に戻るなら、マルウェアが残っているサインだ。その場合はスキャンだけで安心しないほうがいい。

不安が残るならOSを初期化する

暗号資産を扱うPCとして完全に信頼を取り戻したいなら、OSの初期化(クリーンインストール)が最も確実だ。手間はかかるが、どこに何が潜んでいるか分からない状態で使い続けるより安心できる。

MetaMask拡張機能が開かない時の確認ポイント

MetaMask拡張機能が開かない時の確認ポイント

拡張機能が開かない問題は、PCの掃除が終わってから手を付ける。感染したまま修理しようとして、シードフレーズを入力するのが最も危ないからだ。

拡張機能が無効化・削除されていないか確認する

管理画面でMetaMaskがオフになっていないか、そもそも一覧から消えていないかを見る。ブラウザの更新や再起動をきっかけに、拡張機能が無効になることもある。オンにしても開かない場合は、ブラウザ自体を最新版に更新して再起動する。

入っている拡張機能が本物か確かめる

拡張機能の詳細画面には、拡張機能ごとに固有のID(識別番号)が表示される。Chromeウェブストア版のMetaMaskのIDは次のとおりだ。念のため、公式サイトから開いたストアのページのURLとも照らし合わせておきたい。

nkbihfbeogaeaoehlefnkodbefgpgknn

IDが違う、あるいはMetaMaskという名前の拡張機能が2つ以上あるなら、偽物が混ざっている。偽物はすぐに削除する。

入れ直すときは新しいシードフレーズで復元する

拡張機能を削除すると、PC内のウォレットデータも消える。入れ直した後の復元には、シードフレーズが必要になる。

このとき使うのは、資産を移した先の新しいシードフレーズだ。古いシードフレーズは漏れた可能性があるため、復元には使わない。PCを初期化していないなら、新しいウォレットはPCには入れず、スマホやハードウェアウォレットだけで使い続ける選択肢もある。

偽サイトに二度と引っかからないための対策

偽サイトに二度と引っかからないための対策

再発を防ぐ基本は、公式サイトへの入り口を固定し、シードフレーズをWebに入力しない習慣を徹底することだ。日常的に意識したいのは次の点になる。

  • 公式サイトmetamask.ioはブックマークから開く
  • 検索結果の広告枠はクリックしない
  • ブラウザの警告が出たら、進まずにすぐ閉じる
  • シードフレーズは紙に書き、画面には入力しない
  • 提供元が不明な拡張機能やソフトを入れない
  • まとまった資産はハードウェアウォレットで管理する

ハードウェアウォレットは、送金の承認を本体のボタンで行う。PCがマルウェアに感染していても、本体を操作しない限り資産は動かない。金額が大きくなってきたら検討する価値がある。

よくある質問

MetaMaskのサポートがシードフレーズを聞いてくることはある?

ない。サポートを名乗る人物やWebページがシードフレーズを求めてきたら、すべて詐欺と考えてよい。SNSやチャットで親切に話しかけてくる「サポート」も同じだ。

MetaMaskのパスワードを変更すれば安全になる?

感染が疑われる場合、パスワード変更だけでは不十分だ。すでに盗まれたウォレットデータは、古いパスワードで開けてしまう。シードフレーズごと新しいウォレットに資産を移すのが確実な対処になる。

スマホのMetaMaskアプリも危ない?

スマホ自体が感染していなくても、PCと同じシードフレーズを使っているなら資産は同じリスクにさらされている。シードフレーズが同じなら、中身も同じウォレットだからだ。資産を新しいシードフレーズのウォレットへ移せば、このリスクは切り離せる。

偽サイトを開いただけで資産を盗まれる?

開いただけで資産が直接抜かれることは基本的にない。危ないのは、シードフレーズやパスワードを入力したり、取引の承認を押したりした場合だ。ただし、偽サイトに飛ばされる原因がPCの感染なら、別の経路で情報が漏れている可能性は残る。

資産がまだ残っているなら放置しても大丈夫?

大丈夫とは言えない。攻撃者は、資産が増えるタイミングを待ってからまとめて抜き取ることがある。残っているうちに、できるだけ早く新しいウォレットへ移すべきだ。

この記事のポイント

  • どのブラウザや回線でも偽サイトに飛ぶならPCの感染を疑う
  • シードフレーズを求めるページは例外なく偽サイトだ
  • 感染PCでパスワードを入力したなら漏れた前提で動く
  • 安全な端末で新しいウォレットを作り資産を最優先で移す
  • 拡張機能の修理はPCの掃除が終わってから行う
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