MetaMaskでキーリングが見つからないエラーが出た時の対処法

MetaMaskで「KeyringController – Keyring not found」というエラーが出た場合、まず疑うべきは複数のウォレット拡張機能の競合だ。キーリングとは秘密鍵をまとめて管理する仕組みのことで、これがうまく読み込めなくなっている。

このエラーは、ブラウザ内で複数のウォレット系拡張機能が同時に動いているときに発生しやすい。MetaMaskのバージョンを上げても直らないケースが報告されており、対処には拡張機能の整理とウォレットの再読み込みが有効だ。

なぜキーリングが見つからないエラーが起きるのか

なぜキーリングが見つからないエラーが起きるのか

キーリング(Keyring)とは、MetaMaskが秘密鍵を安全に保管するための内部領域だ。ウォレットのロックを解除すると、このキーリングから秘密鍵を読み出して取引に署名できるようになる。

「KeyringController – Keyring not found」は、MetaMaskが内部でキーリングを参照しようとしたとき、期待した場所に見つけられなかったことを示す。要は、金庫のダイヤルを回しても中身の鍵束が認識されない状態だ。

複数のウォレット拡張機能が競合するケース

同じブラウザにMetaMask以外のウォレット拡張機能を入れていると、各拡張機能が秘密鍵や接続情報を管理する領域を取り合うことがある。特に、別のウォレットが同じキーリング方式を採用している場合、内部の識別子が衝突してMetaMask側が正しく読み込めなくなる。

この症状はFirefoxでは起きず、Chromeだけで発生するといった偏りが出る。ブラウザごとに拡張機能の実行環境や読み込み順序が異なるためだ。Chromeにだけ他社製ウォレットを複数入れている場合は、この原因を強く疑う。

ロック状態のデータが不整合を起こすケース

MetaMaskの拡張機能を更新した直後や、ブラウザが強制終了した直後は、ロック状態を保存しているデータと実際のキーリング情報がずれることがある。ロックとロック解除を繰り返しても、このずれが解消されないとエラーが続く。

拡張機能のバージョンアップで内部のデータ構造が変わると、古い形式のキーリングを読み込めなくなることもある。ただし、この場合も秘密鍵そのものが消えたわけではない。保存領域に残っていることが大半だ。

安全に復旧させるための手順

安全に復旧させるための手順

エラーが消えないときは、次の手順を順番に試す。最初に行うべきは、秘密鍵のバックアップ状況の確認だ。リカバリーフレーズ(シークレットリカバリーフレーズ)を紙などに控えていない場合は、復旧作業を始める前に必ず確保しておく。

他のウォレット拡張機能を無効化する

Chromeの拡張機能管理画面を開き、MetaMask以外のウォレット系拡張機能をすべてオフにする。オフにしたらブラウザを完全に終了し、再起動してからMetaMaskを開く。

拡張機能の管理画面は、Chromeの右上にあるメニューから「拡張機能」を選ぶと表示される。ウォレット系以外にも、セキュリティ系の拡張機能が干渉している可能性があるため、できれば一時的にすべて無効化して切り分けるのが確実だ。

MetaMaskをいったん削除して再インストールする

拡張機能の無効化で直らない場合は、MetaMask自体を削除して入れ直す。削除しても秘密鍵は削除されないが、再インストール後にリカバリーフレーズを使ってウォレットを復元する必要がある。

リカバリーフレーズは12個または24個の英単語だ。これを入力すれば同じウォレットアドレスが復元され、資産はそのまま残る。再インストールの前に、必ずリカバリーフレーズを手元に用意しておく。

手順は以下の通りだ。

  1. リカバリーフレーズを紙やパスワード管理アプリで確認する
  2. Chromeの拡張機能管理画面からMetaMaskを削除する
  3. Chromeを完全に終了して再起動する
  4. MetaMask公式サイトから拡張機能を再インストールする
  5. リカバリーフレーズを入力してウォレットを復元する

ブラウザのキャッシュとサイトデータを消す

拡張機能の再インストールでも改善しない場合、ブラウザに残った古いサイトデータが原因になっていることがある。設定から閲覧履歴とキャッシュを削除し、再度MetaMaskを開いてみる。

このとき「Cookieと他のサイトデータ」も含めて削除すると、他のサイトのログイン状態も消える点に注意が必要だ。影響を最小限にしたいなら、キャッシュのみを先に削除して様子を見る。

それでも直らないときの確認ポイント

それでも直らないときの確認ポイント

上記を試してもエラーが続く場合、原因はキーリングのデータ自体が壊れている可能性が高い。この場合、リカバリーフレーズがあれば資産に影響はない。新しいブラウザプロファイルを作成し、そこにMetaMaskをインストールして復元するのが確実だ。

なお、MetaMaskのサポートに連絡するときは、リカバリーフレーズや秘密鍵を絶対に伝えてはならない。公式サポートがこれらを尋ねることはない。要求してくる相手は詐欺だ。

よくある質問

このエラーが表示されても資産は安全か

キーリングは読み込めなくなっているだけで、秘密鍵が消えたわけではない。リカバリーフレーズを正しく保管していれば、ウォレットを復元して資産を取り戻せる。焦らずにバックアップを確認することが先決だ。

Firefoxでは動くがChromeでは動かない

ブラウザごとに拡張機能の実行環境が異なるため、片方だけで競合や不整合が起きることがある。Chrome側に入れている他のウォレット拡張機能やセキュリティ系の拡張機能を無効にして切り分けると原因が見つかりやすい。

MetaMaskを削除すると送金履歴も消えるのか

送金履歴はブロックチェーン上に記録されているため消えない。ただし、MetaMask内のローカルな表示履歴は削除されることがある。リカバリーフレーズで復元すればアドレスは同じになるので、オンチェーンの履歴は常に確認できる。

エラーが起きた状態でも送金できるのか

キーリングが読み込めない状態では、署名が必要な送金や取引はできない。表示だけは見えていても、秘密鍵にアクセスできないため操作が止まる。復旧手順を先に行う。

この記事のポイント

  • キーリングが見つからないエラーは複数ウォレットの競合が主因
  • まず他のウォレット拡張機能を無効化して切り分ける
  • 再インストールが必要な場合に備えてリカバリーフレーズを確認
  • 秘密鍵が消えたわけではないため資産は復元できる
  • サポートを装って秘密鍵を聞き出す詐欺に注意
共有:

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)