MetaMaskでEthereumをアンステークしようとしたときに「TypeError: Cannot read property ‘chainId’ of undefined」というエラーが出る場合、主な原因はMetaMaskのステーキング画面が接続中のネットワーク情報を正しく読み取れていないことだ。ネットワークをEthereum Mainnetに切り替え、キャッシュを消去してから再読み込みすれば、大半のケースは解決する。
MetaMaskでアンステーク時にchainIdエラーが出る原因

このエラーは、MetaMaskのステーキング機能が「今どのネットワークに接続しているか」を取得できずに処理を中断したことを示している。JavaScriptでいうchainIdとは、ブロックチェーンネットワークごとに割り当てられた識別番号のことだ。Ethereum Mainnetなら1、Polygonなら137という具合に決まっている。
ステーキング画面は起動時にこのchainIdを読み取って、正しいネットワーク上のスマートコントラクトと通信を試みる。ところが、MetaMaskの内部状態が壊れていたり、ネットワークの切り替えが不完全だったりすると、chainIdが未定義のままエラーが発生する。
要は、ウォレット自体が壊れているわけではなく、ステーキング機能とネットワーク情報の連携が一時的に切れている状態だ。そのため、復旧手順を順番に試せば元に戻る。
まず試す基本の復旧手順

最初に行うべきは、ネットワークの確認とMetaMask内部のキャッシュ消去だ。アプリを削除して再インストールしても症状が変わらないのは、端末内に古い状態データが残っているためで、キャッシュ消去の方が直接的に効く。
Ethereum Mainnetに接続されているか確認する
MetaMaskの画面を開き、上部に表示されているネットワーク名をタップする(またはクリックする)。ネットワーク一覧が表示されたら、Ethereum Mainnetが選択されているかを確認する。もしPolygonやArbitrumなど別のネットワークに接続したままなら、Ethereum Mainnetに切り替える。
ステーキング機能はEthereum Mainnet上でのみ動作する。別のネットワークに接続した状態でアンステークを実行しようとすると、chainIdの取得に失敗して今回のようなエラーが出ることがある。
MetaMaskのキャッシュを消去する
MetaMaskの拡張機能またはモバイルアプリで、設定画面を開く。設定メニューから「詳細設定」を選び、「アクティビティデータを消去」または「キャッシュをクリア」といった項目を探して実行する。ブラウザ拡張版では、設定の詳細項目から消去できる。
キャッシュを消去しても秘密鍵やウォレットの資産が消えることはない。あくまで表示履歴や一時データがリセットされるだけだ。消去後にMetaMaskを再起動し、もう一度ステーキング画面を開いてアンステークを試す。
ブラウザのキャッシュも消しておく
ブラウザ拡張版を使っている場合は、ブラウザ側のキャッシュやCookieが原因になることもある。ブラウザの設定からキャッシュを消して、ページを完全に再読み込みする。シークレットモード(プライベートブラウジング)でMetaMaskを開き直すのも簡単な切り分け方法だ。
MetaMask Portfolioからアンステークを実行する

MetaMask拡張機能の内蔵ステーキング画面でエラーが続く場合は、MetaMask Portfolio(portfolio.metamask.io)を使うのが確実だ。MetaMask Portfolioは、MetaMask公式が提供する資産管理用のウェブアプリで、同じウォレットを接続してステーキングの操作を行える。
ブラウザでMetaMask Portfolioを開き、「ウォレットを接続」からMetaMaskを選択する。接続後、ステーキングのタブを開くと、現在のステーキング状況とアンステークの操作ボタンが表示される。拡張機能の画面とは別の経路でスマートコントラクトにアクセスするため、内蔵画面の不具合を回避できる。
接続したら、ネットワークがEthereum Mainnetになっていることを再度確認する。そのうえでアンステークの操作を進める。アンステークにはEthereumネットワークのガス代が必要で、ネットワークの混雑状況によって金額が変動する。
エラーが消えない場合の追加の対処ポイント

ここまでの手順で回復しない場合は、次のポイントを順に確認していく。原因が1つとは限らないため、複数の要因を同時に潰すのが近道だ。
複数アカウントを切り替えて確認する
MetaMaskに複数のアカウントを登録している場合、ステーキングしたアカウントとは別のアカウントで接続しているとエラーが起きることがある。アカウント一覧から、実際にステーキングを実行したアドレスを選択し直してから操作する。
VPNや地域制限の影響を確認する
MetaMaskのステーキングサービスは、提供地域によって利用可否が異なる場合がある。VPNを使っている場合は、接続先の地域によってステーキング画面が正しく動作しないことがある。VPNを一時的にオフにして再試行するか、別の接続先に切り替えて確認する。
ガス代を十分に確保しているか確認する
アンステークの操作にはEthereumネットワークのガス代がかかる。ウォレットに少額のETHしか残っていないと、ガス代を支払えずに処理が止まり、一見エラーのように見えることがある。ガス代はネットワークの混雑状況で大きく変動するため、ある程度の余裕を持たせておくとよい。
MetaMask公式サポートに問い合わせる
すべての手順を試してもエラーが続く場合は、MetaMaskの公式サポートに問い合わせるのが確実だ。サポートに状況を伝える際は、エラーメッセージの全文、MetaMaskのバージョン、利用している端末やブラウザの種類、これまでに試した対処手順をまとめておくとスムーズに進む。
よくある質問
アンステークしたEthereumはいつ戻ってくる?
MetaMaskのステーキングでは、アンステークのリクエストを送信してから実際にETHがウォレットに戻るまで、数日から数週間かかることがある。ステーキングプロバイダーやEthereumネットワークの状況によって待ち時間は変わる。アンステーク処理の進捗はMetaMask Portfolioのステーキング画面で確認できる。
アプリを削除してもウォレットの資産は消えない?
削除しても資産は消えない。ただし、リカバリーフレーズ(シードフレーズ)がなければウォレットに再アクセスできなくなる。リカバリーフレーズを紙や安全な場所に控えていることが絶対条件だ。再インストール後にリカバリーフレーズで復元すれば、ステーキング中の資産も含めて同じウォレットに接続できる。
ステーキング報酬の利率はなぜ変わる?
ステーキング報酬の利率は、Ethereumネットワークの状況やステーキングプロバイダーの運用方針によって変動する。固定金利ではなく、ネットワークに参加しているバリデーターの数や手数料収入の変動に応じて調整される。キャンペーンで一時的に高い利率が提示されることもある。
ステーキング中にMetaMaskのバージョンを更新しても大丈夫?
基本的に問題ない。ただし、更新の直後に一時的な不具合で操作できないことがある。その場合はキャッシュ消去と再起動で回復するケースが多い。バージョン更新後に今回のようなchainIdエラーが発生した場合は、元のバージョンに戻すより、まずキャッシュ消去を試すのが先だ。
エラーが治らないまま放置しても大丈夫?
ステーキング中のETHはEthereumネットワーク上のスマートコントラクトに記録されているため、MetaMaskの画面がエラーを出していても資産が失われることはない。ただし、利率の変更や資金の移動を考えているなら早めに解決した方がよい。焦らず順番に手順を試してみることをおすすめする。
この記事のポイント
- chainIdエラーはネットワーク情報の取得失敗が原因
- まずEthereum Mainnetへの接続を確認する
- MetaMaskのキャッシュ消去で多くのケースが解決する
- 内蔵画面が直らない場合はMetaMask Portfolioを利用する
- ガス代の不足やVPNの影響も切り分けて確認する

「エミリーズ・クリプト・インサイダー」のリサーチ担当として、暗号資産の現場で日々生まれる疑問や悩みを丹念に追いかける。
Reddit や海外フォーラムに寄せられる声を読み解き、「初心者がつまずきやすいポイント」「経験者でも見落としがちな落とし穴
」を一つずつ記事として整理している。
専門的な話を誰もが理解できる言葉に置き換えることに全力を注ぐ。情報の正確さと読みやすさの両立を信条としている。
