米OCCがブロックチェーン銀行OpenReserveに暫定認可。a16zやCoinbase Venturesが出資

米国通貨監督庁(OCC)が暗号資産投資家の支援を受けるブロックチェーン銀行、OpenReserve Bankに暫定認可を与えた。

a16z(Andreessen Horowitz)やJump Capital、Coinbase Venturesなどが出資する同社は、フルバンキングチャーターを選択し、常時稼働する銀行を目指す。

暗号資産ネイティブの銀行が、米国の銀行規制の枠内で正式に認められる動きが加速していることがわかる。

米OCCがOpenReserveに暫定認可

米OCCがOpenReserveに暫定認可

暫定認可の概要

OCCは2026年9月3日、OpenReserve Bankに暫定認可(provisional charter)を付与した。同社はユタ州ソルトレイクシティを拠点とし、a16z、Jump Capital、Coinbase Venturesなど暗号資産業界の有力投資家が出資している。

OpenReserveは4月にOCCへ申請書を提出しており、今回の暫定認可は正式な恒久チャーター(permanent charter)に向けた第一段階となる。最終的な認可を得るには、今後もOCCの審査を通過する必要がある。

OCCは認可の確認要請に即座には応じていないが、認可の事実はOCCの公開文書で確認できる。OpenReserve側も公式発表で暫定認可の取得を明らかにした。

同じ日にRevolutも承認

同じ木曜日、OCCは英国のフィンテック企業Revolutにも条件付き銀行チャーターを承認した。Revolutはコネチカット州から事業を行う予定だ。

1日に2件の銀行チャーター承認が発表されたことになる。OCCがデジタル資産関連の銀行免許を積極的に処理している姿勢が浮き彫りになった。

フルバンキングチャーターの意味

フルバンキングチャーターの意味

トラストカンパニーではなくフルチャーター

OCCがこれまで認可してきた暗号資産関連の銀行の多くは、トラストカンパニー(信託会社)形態だった。信託会社は預金を受け入れる銀行業務の一部を担えるが、フルサービスの銀行とは役割が異なる。

OpenReserveはあえてフルバンキングチャーターを選んだ。同社の共同創業者兼CEOであるディー・チョーベイ氏は声明で、連邦銀行という道を意図的に選んだと説明している。

チョーベイ氏は、監督、安全性、健全性、コンプライアンス、顧客からの信頼は、同社が構築する事業の制約ではなく、その土台だと述べた。規制への適合を負担ではなく強みとして位置づけている点が特徴的だ。

オンチェーン決済を組み込んだ銀行

OpenReserveの構想は、オンチェーン決済を組み込んだフルサービスの国法銀行だ。機関顧客向けにトレジャリー管理(資金管理)、ステーブルコイン発行、トークン化預金(預金をブロックチェーン上のトークンとして表現する仕組み)を提供するという。

a16z cryptoは投資判断を説明する投稿で、常時稼働し、常に開いており、常に利用可能な銀行が必要だと述べた。閉まることがない銀行、連続して動き続ける銀行だという。

従来の銀行は営業時間や休業日があり、国際送金などに時間がかかる場面があった。ブロックチェーンを使えば、そうした制約なしに決済を処理できる可能性がある。つまり、銀行とブロックチェーンの長所を組み合わせようという試みだ。

暗号資産ネイティブ銀行の台頭

暗号資産ネイティブ銀行の台頭

銀行との関係は険しかった過去

暗号資産業界と銀行セクターの関係はここ数年、決して良好ではなかった。米国の銀行監督当局は暗号資産企業の口座開設や銀行サービス利用に慎重な姿勢を示し、業界からは銀行アクセスの断絶が指摘されていた。

しかし現在、暗号資産ネイティブの銀行が増え始めている。トランプ政権はジョナサン・グルードOCC長官の下で、デジタル資産ビジネスを規制された銀行の領域に迎え入れる方針を明確にしている。

これは単なる免許の増加ではない。暗号資産企業が銀行を通じて、より広い金融システムへ接続できるようになることを意味する。従来は取引所や発行体が個別に銀行を探す必要があったが、自ら銀行を持つ選択肢が現実味を帯びてきた。

出資者の顔ぶれから見える期待

OpenReserveの出資者には、a16z、Jump Capital、Coinbase Venturesに加え、Acrew、Wintermute Ventures、Clocktower、Quona、AAF Management、Zero Knowledge Venturesが名を連ねる。

暗号資産投資で実績のある企業が揃っており、この分野への期待の高さがうかがえる。特にa16z cryptoが投資理由を公に説明している点は、同社の戦略的な関心の強さを示している。

GENIUS Actとステーブルコイン規制

GENIUS Actとステーブルコイン規制

GENIUS Actとは

GENIUS Actは、米国ステーブルコインのための国家イノベーションの指導と確立法(Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act)の略称だ。ステーブルコイン発行者の監督や準備金の要件など、ステーブルコインに関する連邦レベルの規制枠組みを定めている。

OpenReserveは、このGENIUS Actの規制に準拠して事業を行うとしている。ステーブルコイン発行を手がける銀行として、法令遵守を前面に打ち出している点が特徴だ。

規制された銀行がステーブルコインを扱う意味

ステーブルコイン市場では、発行体の信頼性や準備金の透明性が常に課題となってきた。規制された国法銀行がステーブルコイン発行に参入することで、機関投資家の信頼を得やすくなるとの見方がある。

つまり、暗号資産の世界と伝統的な銀行規制の世界が、ステーブルコインを接点として融合し始めているということだ。OpenReserveの事例は、その象徴的な動きと言える。

今後の焦点は、最終的な恒久チャーターが認められるかどうかだ。OCCの審査がどの程度の期間を要するかは明らかではないが、暫定認可から最終認可へ進む過程で、業務内容やリスク管理体制の詳細が問われることになる。

OpenReserveがフルバンキングチャーターを取得すれば、暗号資産ネイティブの銀行として初の事例となる可能性がある。業界全体にとって、銀行規制と暗号資産の共存を占う試金石になるだろう。

この記事のポイント

  • 米OCCがOpenReserve Bankに暫定認可を付与。a16zやJump Capital、Coinbase Venturesが出資
  • OpenReserveはフルバンキングチャーターを選択し、オンチェーン決済を組み込んだ国法銀行を目指す
  • 同じ日にRevolutも条件付き銀行チャーターを承認され、暗号資産銀行の認可が加速
  • GENIUS Actに準拠し、規制された銀行としてステーブルコイン発行やトークン化預金を提供する計画
  • 最終的な恒久チャーター取得が今後の焦点。業界の試金石となる事例
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