Phantomでステーキング中のSOLに「PSOLに変換」しか表示されなくても、PSOLを経由せずにSOLへ戻すことはできる。ネイティブステーキングは「ステーキング解除」と「引き出し」の2段階で取り戻せる。Phantomの画面で解除の項目が見つからない場合は、同じステークアカウントを扱える別のツールでも解除できる。
なぜPhantomで「PSOLに変換」しか表示されないのか

原因は、Phantomが独自のリキッドステーキングトークン「PSOL」を前面に出す画面構成に変わったことにある。以前からステーキングしていたSOLが消えたわけでも、ロックされたわけでもない。
ここで、ステーキングには2つの方式があることを押さえておきたい。1つはネイティブステーキングだ。SOLを「ステークアカウント」という専用の口座に入れ、バリデーター(取引を検証してネットワークを支える運営者)に預ける方式である。
もう1つがリキッドステーキングだ。SOLを預けた証明としてPSOLのようなトークンを受け取り、そのトークン自体を自由に送金や交換に使える。銀行の定期預金と、いつでも売買できる預金証書くらいの違いと考えるとわかりやすい。
数年前にPhantomでステーキングしたSOLは、ほとんどがネイティブステーキングだ。要は、PSOLへの変換は「選択肢の1つ」にすぎず、ネイティブのステークアカウントは今も単独で解除できるということだ。
PSOLを経由せずにSOLを取り戻す仕組み

ネイティブステーキングのSOLは「解除」と「引き出し」の2段階で手元に戻る。1回の操作ですぐ戻るわけではない点が、混乱しやすいポイントだ。
1段階目はステーキングの解除
解除は、技術的には「ディアクティベート(無効化)」と呼ばれる操作だ。これを実行すると、ステークアカウントはバリデーターへの委任をやめる準備に入る。
解除が完了するのは、現在の「エポック」が終わったタイミングだ。エポックとはSolanaの時間の区切りで、1回あたり約2〜3日かかる。解除を押した直後は、まだSOLを動かせない。
2段階目はウォレットへの引き出し
エポックが切り替わって解除が完了したら、ステークアカウントから自分のウォレットへSOLを引き出す。この操作をして初めて、通常のSOLとして送金や売却ができるようになる。
解除だけして引き出しを忘れると、SOLはステークアカウントに残ったままになる。報酬も付かない状態で放置されるので、必ず2段階目まで済ませておきたい。
Phantomの画面でステーキングを解除する手順

まずはPhantomの中で、個別のステークアカウントを開いて解除の項目を探す。画面構成はアップデートで頻繁に変わるため、以下は大まかな流れとして参考にしてほしい。
- Phantomを最新版にアップデートする
- 資産一覧からSOLを開く
- ステーキング中の残高や「あなたのステーク」といった項目を開く
- 一覧に並ぶステークアカウントを1つずつタップする
- 「ステーキング解除」(英語表示では “Unstake”)といった項目を探す
- 解除後、エポック終了を待って「引き出し」(英語表示では “Withdraw”)を実行する
解除の項目は、画面右上のメニューや「…」ボタンの中に隠れていることがある。PSOLへの変換ボタンが大きく表示されていても、その下や詳細画面に解除の選択肢が残っていないか確認しよう。
スマホアプリとブラウザ拡張機能で、表示される項目が違うケースもある。片方で見つからなければ、もう片方で同じウォレットを開いて確かめる価値がある。
複数のバリデーターに分けてステーキングした場合は、バリデーターごとに別のステークアカウントができている。解除と引き出しは、アカウントごとに1回ずつ行う必要がある。
Phantomで解除できない時の代替手段

Phantomの画面に解除の項目がどうしても見つからない場合でも、別のツールから同じステークアカウントを操作できる。ステークアカウントはブロックチェーン上に存在し、Phantomの中だけにあるものではないからだ。
ステークアカウントの存在をエクスプローラーで確認する
最初に、自分のステークアカウントが今も残っているかを確かめておくと安心だ。SolscanやSolana Explorerといったブロックチェーンエクスプローラー(取引記録の検索サイト)に、自分のPhantomのアドレスを入力する。
ステーキング関連のタブを開けば、ステークアカウントのアドレス、残高、委任先のバリデーターが確認できる。ここで残高が見えていれば、SOLは無事にチェーン上に存在している。
Solflareなど別のウォレットで解除する
Solana対応のウォレットには、ネイティブのステークアカウント管理に対応したものがある。代表的なのがSolflareで、ステークアカウントの解除と引き出しを画面上で実行できる。
ただし、この方法ではPhantomのリカバリーフレーズ(ウォレットを復元するための12語や24語)を別のウォレットに入力することになる。入力するアプリが公式のものか、ストアの提供元やダウンロード元を必ず確認しよう。偽アプリにフレーズを入力すると、資産をすべて抜き取られる。
アドレスが一致しない場合は、ウォレットごとに派生パス(同じフレーズからアドレスを作るルール)が違うことが原因だ。復元時にアドレスの選択肢が出たら、Phantomと同じアドレスを選ぶ。
Solana CLIで解除する(上級者向け)
コマンド操作に慣れている人なら、Solana公式のコマンドラインツール(CLI)でも解除できる。エクスプローラーで調べたステークアカウントのアドレスを指定して、次のように実行する。
# 1段階目 ステーキングを解除する
solana deactivate-stake <ステークアカウントのアドレス>
# エポック終了後 2段階目 ウォレットへ全額引き出す
solana withdraw-stake <ステークアカウントのアドレス> <受け取るウォレットのアドレス> ALLCLIでの操作には、ステークアカウントの権限を持つウォレットの秘密鍵が必要になる。パソコン上で秘密鍵やリカバリーフレーズを扱うのは漏えいのリスクが高い。仕組みを理解していない場合は、この方法は避けたほうがよい。
PSOLに変換してからSOLに戻す方法もある
Phantomが案内するとおり、いったんPSOLに変換してからSOLに戻す方法も選べる。リキッドステーキングでは、交換所の流動性を使って待ち時間なしでSOLに戻せる場合がある。
一方で、即時の交換では手数料や交換レートの差で、受け取るSOLがわずかに減ることがある。差額は時期や数量で変わるので、実行前に画面に表示される受取額を必ず確認しよう。待てるならネイティブの解除、すぐ現金化したいならPSOL経由という使い分けになる。
ステーキングを解除するときの注意点

もっとも警戒すべきは、「ステーキング解除ツール」を名乗る詐欺サイトだ。検索広告やSNSの返信に出てくるリンクから、ウォレットを接続したりフレーズを入力したりしてはいけない。
Phantomのサポートを名乗ってダイレクトメッセージを送ってくる相手も、ほぼ確実に詐欺だ。正規のサポートがリカバリーフレーズを尋ねることはない。
引き出しの際は、ステークアカウントを維持するために預けてあった少額のSOLも戻ってくる。これは「レント」と呼ばれる口座維持用のデポジットで、全額を引き出すとアカウントが閉じられて返却される。
また、引き出しや変換の取引には少額のSOLが手数料としてかかる。ウォレットの通常残高が0だと取引を送れないため、わずかでもSOLを残しておくと安心だ。
よくある質問
ステーキング解除からSOLが使えるようになるまで何日かかる?
解除を実行した時点のエポックが終わるまで待つ必要があり、目安は約2〜3日だ。エポックの途中で解除すれば、待ち時間はそれより短くなる。完了後に引き出しを行えば、すぐに使える。
解除の手続き中もステーキング報酬はもらえる?
解除を実行したエポックの分までは報酬の対象になるのが一般的だ。解除が完了した後は報酬が付かない。引き出さずに放置しても増えないので、完了したら早めに引き出そう。
何年も放置したステーキングでも解除できる?
解除できる。ネイティブステーキングに期限はなく、ステークアカウントはチェーン上に残り続ける。委任先のバリデーターが活動をやめていても、解除と引き出しの操作は可能だ。
PSOLに変換すると損をする?
変換そのもので大きく損をするわけではないが、すぐSOLに戻す場合は手数料やレート差でわずかに目減りすることがある。数日待てるなら、ネイティブの解除のほうが受け取るSOLを最大化しやすい。
複数のバリデーターに預けたSOLはまとめて解除できる?
バリデーターごとにステークアカウントが分かれているため、基本的には1つずつ解除と引き出しを行う。手間はかかるが、それぞれの手順自体は同じだ。
この記事のポイント
- 「PSOLに変換」しか出なくても、ネイティブステーキングはPSOLを経由せず解除できる
- SOLを戻すには「解除」と「引き出し」の2段階が必要で、間に約2〜3日かかる
- Phantomで解除項目が見つからなければ、ステークアカウント対応の別ツールで操作できる
- すぐSOLに戻したい時はPSOL経由も選べるが、受取額が少し減ることがある
- 解除ツールを名乗る詐欺サイトや偽サポートには絶対にフレーズを入力しない

「エミリーズ・クリプト・インサイダー」のリサーチ担当として、暗号資産の現場で日々生まれる疑問や悩みを丹念に追いかける。
Reddit や海外フォーラムに寄せられる声を読み解き、「初心者がつまずきやすいポイント」「経験者でも見落としがちな落とし穴
」を一つずつ記事として整理している。
専門的な話を誰もが理解できる言葉に置き換えることに全力を注ぐ。情報の正確さと読みやすさの両立を信条としている。
