Solanaブロックチェーン上で動作する分散型金融(DeFi)プラットフォーム、Driftが「能動的攻撃」を受けていることを確認した。プラットフォームは入出金を停止し、複数のセキュリティ企業と連携して対応にあたっている。ブロックチェーン分析データによれば、プラットフォームから2億5000万ドルを超える資金が流出した可能性がある。
この事件は、ここ数ヶ月で活況を取り戻しつつあったSolanaのDeFiエコシステム全体に対する信頼を揺るがす可能性がある。DriftのネイティブトークンDRIFTは事件報告後、価格が20%以上急落した。
Driftが「異常な活動」を調査、攻撃を確認

2026年4月1日、Driftは公式Xアカウントを通じて、プロトコル上で「異常な活動」を観測しており調査中であると発表した。ユーザーに対しては調査が終了するまで資金を預け入れないよう警告した。当初、4月1日であることから冗談ではないかとの見方もあったが、Driftは「これはエイプリルフールの冗談ではない」と明記し、注意を呼びかけた。
その後、状況は急速に悪化した。Driftは新たな投稿で、プラットフォームに対する「能動的攻撃」が進行中であることを確認し、入金と出金の両方を停止したと発表した。プラットフォームは「複数のセキュリティ企業、ブリッジ、取引所と連携して、インシデントの封じ込めにあたっている」と述べている。
Solanaインフラ企業Helius CEOが「悪用の可能性」を指摘
Driftの警告に先立ち、Solanaの主要インフラプロバイダーであるHeliusのCEO、Mert Mumtaz氏が懸念を示していた。Mumtaz氏はXへの投稿で、「100%確実ではないが、Driftが悪用されている可能性があるようだ」と述べた。Heliusは、開発者やプラットフォームがブロックチェーンデータにアクセスするために利用するAPIやノードサービスを提供する企業だ。そのCEOの発言は、コミュニティ内の懸念をさらに高めることになった。
一部のユーザーからは、自分のポジションに不規則な動きがあったとの報告も寄せられた。これらの報告と公式発表が重なり、事件の深刻さが浮き彫りになった。
2億5000万ドル超の資金流出、DRIFTトークンは急落

ブロックチェーン分析プラットフォームArkhamのデータによると、Driftから中間ウォレットへ2億5000万ドルを超える資金が移動した。その後、これらの資金は複数の異なるアドレスに分散して送金されたという。執筆時点で、最初の中間ウォレットに残っている資金は60万ドル未満だった。
この事件はDriftのネイティブトークンDRIFTの価格に即座に反映された。悪用が最初に報告されてから数時間で、DRIFTトークンは20%以上下落し、執筆時点では約0.05ドルで取引されていた。価格の急落は、投資家のパニック売りと、プラットフォームの将来に対する懸念を示している。
Solana(SOL)価格への影響は限定的か
事件はSolanaのネイティブトークンSOLの価格にも一時的な影響を与えた。SOLは過去数時間で下落したが、83.82ドル付近で一時的な底値を打った後、やや回復した。執筆時点では、前日比で1%以上の上昇を維持していた。
この比較的限定的な反応は、市場が現時点では事件をDriftという単一プロジェクトの問題と捉え、Solanaブロックチェーンそのもののセキュリティ問題とは切り離して見ている可能性を示唆している。しかし、事件の全容が明らかになり、他のプロジェクトへの波及が懸念されれば、状況は変わる可能性がある。
Solana DeFiエコシステムへの波及リスク

Driftへの攻撃が確認されれば、ユーザーの資金に影響を与えるだけでなく、ここ数ヶ月で復調の兆しを見せていたSolanaのDeFiエコシステム全体に圧力がかかることになる。DeFiとは、中央管理者を介さずに貸借や取引などの金融サービスを提供するプロトコルの総称だ。Solanaは高速で手数料が安いことを特徴としており、2026年初頭からDeFiにおける総預かり資産(TVL)と活動が増加していた。
大規模なハッキング事件は、単に被害額が大きいだけでなく、そのブロックチェーンやエコシステムに対するユーザーの信頼を損なう。過去の事例では、あるプロトコルでのハッキングが、同じチェーン上の他の類似プロトコルから資金が引き揚げられる「リスクオフ」の動きを引き起こすことがある。Driftの事件が、Solana DeFi全体に対する信頼喪失につながらないかが今後の焦点だ。
DeFiセキュリティの恒久的な課題
この事件は、DeFiセキュリティの根本的な課題を再認識させるものだ。DeFiプロトコルは、そのほとんどがオープンソースのスマートコントラクト(ブロックチェーン上で動作する自動実行プログラム)で構築されている。これは透明性と相互運用性をもたらす一方で、コードの欠陥(バグ)や設計上の弱点(脆弱性)が発見されれば、悪意のある攻撃者に悪用されるリスクと常に隣り合わせである。
大規模な資金が集まるプロトコルは、特に高度な攻撃者の標的となる。プロトコル側は、内部監査や外部のセキュリティ企業による監査、バグ報奨金プログラムなどで対策を講じるが、完全な防御は難しい。Driftも「複数のセキュリティ企業」と連携していると表明しており、事件後の対応に専門家を動員していることがわかる。
今後の展開とユーザーが取るべき行動

現在、Driftは入出金を完全に停止している。ユーザーが取るべき最善の行動は、プラットフォームからの公式な更新を待つことだ。調査が完了し、攻撃の手法や影響範囲が明らかになるまでは、不用意にプラットフォームとインタラクション(操作)を試みるべきではない。
また、このような事件はフィッシング詐欺(偽のサポートを名乗って秘密鍵を盗むなど)を誘発する可能性がある。Driftを名乗る不審なDM(ダイレクトメッセージ)やリンクには絶対に応じないことが重要だ。情報は公式アカウントからのみ入手するべきである。
事件の全容と、流出した資金の回収可能性についてはまだ不明な点が多い。過去の大規模ハッキングでは、ホワイトハットハッカー(善意的なハッカー)やプロトコルチーム自身が攻撃者との交渉を行い、一部の資金を返還させた事例もある。Driftが「ブリッジや取引所と連携」していると表明したのは、流出資金の移動を追跡し、封じ込めを図るためだと考えられる。
この記事のポイント
- Solana DeFiプラットフォームDriftが「能動的攻撃」を確認し、入出金を停止した。
- ブロックチェーン分析によると、プラットフォームから2億5000万ドル超が流出した可能性がある。
- DriftのネイティブトークンDRIFTは事件後、20%以上急落した。
- 事件は、復調していたSolanaのDeFiエコシステム全体への信頼を損なうリスクがある。
- ユーザーは公式発表を待ち、不審な連絡に応じないことが重要だ。

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暗号資産投資、DeFi、NFT、WEB3、メタバースといった最先端分野を深く理解し、「エミリーズ・クリプト・インサイダー」を運営。
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